環境・食・生活を疑う【mirror-japan】

表があれば必ず裏がある。メディアでは報じられない事実や、常識の裏に潜む真実を深掘りして発信する探求型メディア。

 

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牛乳は本当に健康にいいのか?信じて飲む前に知っておきたい事実

牛乳は健康にいいのか

ごくごく。ぷはーっ!やっぱり朝いちばんに飲む牛乳は、身体にいいことしてるーって感じで最高!

ねぇねぇ。それって…本当に体に良いの

小さい頃から、牛乳を飲むと丈夫な体になるって言われて育ってきたの!子どもたちにも毎朝飲ませているし、みんなと〜っても元気よ。

あなたは牛乳の表側しか知らないのね。私が牛乳の裏側について今から色々と教えてあげる!

あなたは牛乳が「本当に体にいい」と「ちゃんと理解」して飲んでいますか?

学校給食の定番でもある牛乳。
「健康のために牛乳を毎朝飲むようにしている」という人は多くいます。
長年の習慣で毎日とっている人も多いのではないでしょうか。

かつては自宅に届けてくれる牛乳配達も一般的で、誰もが毎日のように飲んでいました。

牛乳=カルシウムのために最適
牛乳=骨を強くする

そもそも、牛乳はなぜ「体にいい」が常識になったのでしょうか?
そして、今もそれは「本当に正しい」と言えるのでしょうか?

あなたは歴史や、情報の背景まで知ったうえで「牛乳を飲む」という選択をしていますか?

「牛乳=体にいい」は、いつからはじまった?

戦後、日本は深刻な食料不足で多くの人が十分に食べられず、子どもたちも栄養失調に悩まされていました。

そんな中、アメリカからの支援で「脱脂粉乳(だっしふんにゅう)」が大量に無償で届きます。これは、牛乳から脂肪をとった粉ミルクのようなもので、当時はとても貴重な栄養源でした。

政府はGHQ(連合国の司令部)の指示のもと、学校給食にこの脱脂粉乳を取り入れ、子どもたちの命をつなごうとしました。
つまり、「牛乳=栄養たっぷりで体にいいもの」というイメージは、この時代から広まりはじめたのです。

戦後、食糧不足に苦しんでいた人たちにとっては、牛乳が命を守る飲み物だったの。

牛乳の健康ブームが世界的に広がる

牛乳を“体にいい飲み物”として広めたきっかけの一つが、1946年に出版されたアメリカの小児科医・スポック博士の育児書です。

この本は世界中で5000万部のベストセラーになり、20世紀を代表する育児書ともいわれ「子どもに牛乳を与えるべき」という考えが広まりました。

日本の栄養士教育にも強く影響を与え、保育士・教師・医療者たちが「牛乳=健康」として教えるようになりました。

さらに、日本国内では酪農支援政策や乳業メーカーの働きかけも加わり、

食育のパンフレットには「1日○杯の牛乳を飲もう」といった文言が当たり前に登場するようになりました。

ほら、やっぱり牛乳は体に良いでしょ!

でも、“常識”は書き換えられる

じつは、このスポック博士の育児書。
1998年に改訂された第6版では、「牛乳はとるべきではない」と真逆の内容が書かれたのです。

40年近く「体にいい」といわれてきた牛乳が、後になって“むしろ健康に良くない”と見直されました。

その時代に正しいとされていた考え方や価値観が大きく変わったーー
スポック博士の著書には、パラダイムの転換ともいえる変化が現れました。

えっ!!一体何が起きたの!?

「常識」は時代とともにするっと書き換わるの。この事実、覚えといて。

牛乳が体に悪いと言われる理由

もともと日本人には合わない

牛乳に含まれる炭水化物の乳糖という成分をうまく分解できない人がいます。
そういう人が牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしたり、下痢をしたりする症状を乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)といいます。

じつは日本人の多くの人が、乳糖不耐症の体質を持っていて、「牛乳は日本人の体に合わない」といわれています。

つまり、牛乳を飲んでお腹が痛くなるのは、牛乳が“体に合ってない”ってこと!

アレルギーや炎症の原因になる

牛乳には“カゼイン”という消化しづらいたんぱく質も含まれます。
一部の人には腸に刺激を与え、炎症やアレルギーの原因になるという指摘もあります。

アレルギーの原因になるって聞くとちょっと怖いわね。

牛乳の成分と飼育環境の問題

市販の牛乳の中には、“成長ホルモン”や“抗生物質”が気になるものもあります。

とくに海外の酪農では、乳量を増やす目的でrBST(成長ホルモン)が使用されていることもあります。
日本ではこのrBSTの使用は禁止されていますが、輸入されたチーズやバター、乳加工品には、このホルモンが含まれている可能性もゼロとは言えません。

たとえ国内の牛乳であっても、牛の飼料には注意が必要です。
日本の多くの酪農家が、海外から輸入された遺伝子組み換え作物(トウモロコシなど)を牛のエサに使っているため、間接的に牛乳の成分に影響する問題も指摘されています。

さらに、狭い牛舎で毎日搾乳されることによる牛のストレスや、感染症予防のための抗生物質使用が使われています。

これは牛乳だけでなく、肉や卵などの食品全体にも共通する話です。

家の冷蔵庫に入っている牛乳が、どんな餌を食べてどんな飼育環境で育った牛から摂られた牛乳かわかってる?
有名メーカーだからって安心しちゃダメ!ちゃんと知ったうえで、“あなたが選ぶ”ことが大事なの。

生物学的に変じゃない?という声もある

地球上の動物全体で見ると、大人になっても乳(ちち)を飲み続けているのは、人間だけです。牛、ゾウ、ライオンなどの哺乳類は、大人になると母乳を飲まなくなります。

どんなにおなかがすいていても、動物たちはもう一度お乳を飲もうとはしません。
それに対して、人間だけが牛の乳を、大人になっても飲み続けているという事実があります。

人間の母乳が母親の血液からできているように、牛乳は、牛の血液からできている飲み物だということをきちんと理解できているでしょうか。


あなたは赤ちゃんがおっぱいを飲んでるのを見て、飲みたいって思う?
人間の赤ちゃんだって卒乳したらおっぱいに見向きもしなくなるわ。それって本能なのよね。

でも、やっぱり“牛乳って体にいい”っていう逆の意見の研究結果もあるし、ちゃんとした専門家が“必要な栄養源だ”って言ってるのは嘘ってこと?

そう言うと思った!牛乳が体にいいって言われる理由も一応見てみましょう。

 “牛乳が健康に良い”と言われるのはなぜ?

牛乳は栄養豊富な完全栄養食品

【牛乳(200mlあたり)の栄養成分】

エネルギー        126kcalビタミンA         78μgRAE
タンパク質        6.8gビタミンD         0.6μg
脂質           7.8gビタミンE         0.2mg
炭水化物         9.9gビタミンK         4μg
ナトリウム        85mg    ビタミンB1        0.08mg
カリウム        227mgビタミンB2       0.31mg
マグネシウム      21mgナイアシン       1.9mgNE
リン          192mgビタミンB6       0.06mg
鉄分          0.04mgビタミンB12       0.6μg
亜鉛          0.8mg葉酸           10μg
銅            0.02mgパントテン酸       1.14mg
ビタミンC        2mg

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)から作成

牛乳はカルシウムだけでなく、たんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンといった5大栄養素をバランスよく含んでいます。

この5つの栄養素は、体をつくる・動かす・整えるために欠かせないもので、私たちは毎日の食事からしっかりとる必要があります。

牛乳は、そんな栄養を手軽にまんべんなくとれる食品のひとつです。

さらに最近の研究では、免疫力を高める、感染を防ぐ、血圧を整えるといった働きも報告されていて、健康づくりの面でも注目されています。

良い面がこんなにいっぱい!牛乳は吸収効率の高さも評価されていて、特にカルシウムは、他の食材より吸収されやすいって聞いたことがあるわ。やっぱり牛乳ってスーパーフードじゃない!

栄養は「牛乳じゃないと取れない」わけじゃな

戦後の日本では、牛乳は貴重な栄養源として広く受け入れられていました。
栄養失調が深刻だった時代にとって、牛乳は“命をつなぐ飲み物”だったのです。

しかし、2025年の今は、食の選択肢も情報も大きく広がっており、他の食べ物から栄養をとることもできます。

確かに、栄養バランスばっちりのスーパーフードかもしれないけど今は戦後じゃないの。
飽食の時代って言われている今、3食しっかり食べた上に3時のおやつ…その上に栄養満点の牛乳でさらに栄養を摂る必要が果たしてあるのかしら…?

確かに…それを言われるとなんだか最近お腹周りが気になってきたし…

同じ栄養を「別の食材」でとる方法

朝ごはん

じつは、牛乳に含まれる栄養素はカルシウム・たんぱく質・ビタミン類などは、意外と身近な食材でもしっかりカバーできます。

給食の牛乳(200ml)を“献立で置き換える”とこうなる

卵焼き(50g)+しらす(10g)+小松菜(茹で70g)+豆腐(150g)

カルシウム:約375mg

たんぱく質:約24.5g

カバー率:◎◎
カルシウム・たんぱく質ともに牛乳(200ml:Ca約220mg、P約6.6g)を大きく超える

このように、栄養の目的さえ明確なら、牛乳にこだわる必要はありません。
子どもでも、大人の男性でも女性でも──200mlの牛乳は、別の食材でじゅうぶん置き換えが可能です。

料理で栄養バランス考えて毎日用意するのって、大変。
手っ取り早くこの栄養が取れるなら、やっぱり牛乳よ!

確かにその意見も納得!子どもって好き嫌い多いしね?コップ一杯の牛乳を飲むだけでバランスよく栄養が取れるんだもの。
でもちょっと考えてみて?献立を立てる手間と日本では使用されていない成分や抗生物質を日常的に体に取り入れているかもしれないリスク。どちらを選択するかもあなた次第なの。

健康情報の“正体”「いい」「悪い」の裏側を考えてみよう

情報は、発信者によって大きく変わる

「牛乳は体にいい」「牛乳は控えたほうがいい」──どちらの主張にも、それなりの根拠があるように見えるのは、情報の“前提”や“目的”が違っている場合があります。

たとえば、牛乳のよさを強調しているのが乳業メーカーなら、それは商品を売る意図があるかもしれないと考えるべきです。

逆に「牛乳は危ない」と語る人が豆乳やサプリを販売しているなら、それもまた販売促進の一環かもしれません。

つまり、「誰が、なぜ、その情報を伝えているのか」を見ないと、情報の“中身”はつかめむことができせん。

えっ…じゃあ、“牛乳は体にいい”って言ってる人が、実は商品を売りたいだけってこともあるの?

そういうこと。何を言ってるかだけじゃなくて、“誰が、なんのために”言ってるかを常に客観的に見ることがマストなの。

「科学的に絶対に正しい」ということはない

科学の実験

よく「エビデンスがある」「論文で証明された」という言葉が使われます。

ですが、科学の世界では「条件つきの仮説」であることも多くあります。

たとえば、

どんな環境で、どんな条件で実験されたのか

被験者は何人か、どういう人たちだったか

研究費の出どころに偏りはないか

結果のどの部分が切り取られて報道されているか

──といった要素を見ないまま、単純に「科学で証明された」とそのまま信じて大丈夫なのか、ということです。

実際、かつて“牛乳をすすめていた”スポック博士の育児書も、数十年後には「牛乳は控えるべき」という真逆の内容に改訂されました。

科学も情報も、アップデートされることも数多くあります。

私たち1人ひとりが、知識をアップデートしていくことが大事!

科学でわかっているのは、宇宙のほんの5%

人類が科学的に解明できているのは、宇宙全体のうち約5%にすぎないといわれています。

つまり、私たちは95%が未知のままの世界で、「これが正しい」と信じて判断して暮らしているということになります。

「科学的に証明された」と聞くとつい安心してしまいますが、それはあくまで限られた条件の中で、“今のところ成立している仮説にすぎないかもしれない”ということを、頭のどこかにいれておかなくてはなりません。

情報にふれたときには、「本当にそう言いきれるのか?」という視点を、そっと置いておくことが大切なのです。

あぁ〜、もう何を信じて良いのかわからなくなっちゃう…。

そう思うなら…

「飲む?やめる?」ではなく、“自分で考えて選ぶ”

牛乳は自分、家族の身体の中に入るものです。

「昔から飲んでいるから」を理由だけで続けるのではなく、
本当に自分に合っているのか、
どんな情報をもとに選んでいるのか、
その判断に、自分自身が責任を持つことが求められます。

情報があふれる今の時代だからこそ、
誰かの意見に流されるのではなく、
多角的な視点で物事を捉え、自分で判断することが大切です。

牛乳の裏側。わかってもらえたかしら?

多角的な視点…今まで考えてもみなかったわ。




その大切さを伝えていくことが、ミラージャパンの使命だと私たちは考えています。
子供から大人まで、あなた自身が、自分に合った選択ができるように。
私たちは、その手助けになる情報をまっすぐにこれから届けていきます。